地元の手みやげを用意したい。
そんなとき、何件かお菓子屋さんを知っていると重宝しますね。
厚木には、なんと江戸時代から続く和菓子屋さんがあることをご存じでしょうか。
今回ご紹介する菊屋政房は、創業天明元年、1781年から営まれている老舗和菓子屋です。
ここでは、特に手みやげにオススメの「鮎もなか」と「崋山」をとりあげます。
菊屋政房の営業時間、アクセス
住所 | 神奈川県厚木市東町1-13 |
電話番号 | 046-221-0009 |
営業時間 | 9:30~18:00 |
定休日 | 木曜日 |
菊屋政房本店のメニュー
通年商品
- 鮎もなか
- やき鮎
- どら焼
- あゆコロちゃんどら焼
- あゆコロちゃんのおやつ
- 崋山
- 奥相模の山々
他にも、季節限定のお菓子や上生菓子、お赤飯や上用まんじゅうなどのお取扱いがあります。
厚木で有名!ゆずあんで珍しい「鮎もなか」
店員さんにオススメをお聞きしたところ、鮎もなかを紹介してくださいました。
鮎の旬とされる時期ではなかったので意外に思いましたが、厚木を流れる相模川にちなんでいるのだとか。
相模川は全国的に見ても鮎の漁獲量が多い川の一つです。
こういった土地柄から、鮎もなかは通年商品として展開されています。
鮎のお菓子といえば、若鮎という和菓子を夏に見かけますね。
カステラ生地で求肥やあんを包んだものが一般的で、菊屋政房ではやき鮎という名前で通年販売されています。
しかし、鮎もなかは鮎をかたどった白い最中のなかに、淡いグリーンのゆずあんが入っています。
生地といい、あんといい、鮎のお菓子としては珍しい一品です。
切り口からも分かる通り、最中の生地が薄く、ゆずあんがたっぷり入っています。
最中生地は薄いだけでなく、やわらかく、口にするとふわっとした食感です。
つぶれやすいため、お持ち帰りの際はご注意ください。
あんはゆずの香りが爽やかであっさりしています。
あんが多く胸やけしないかと少し不安でしたが、気付けばあっという間に食べ終えてしまいました。
渡辺崋山の名を冠した神奈川県指定銘菓「崋山」
菊屋政房を訪れてすぐ、気になったのがこちらの崋山。
店員さんに読み方をお聞きすると、渡辺崋山にちなんで「かざん」という名前なのだと教えてくださいました。
渡辺崋山は江戸時代の武士で画家。1831年、知り合いをたずねる道中で厚木を訪れます。
そのことを記した「遊相日記」には「厚木の盛なる都ことならす」との記述があります。
そして、渡辺崋山は厚木で宿泊し、厚木六勝を描きました。
このころから菊屋政房は営業されていたわけですから、長い歴史を感じますね。
崋山はバラ売りが無いとのことで、一番小さい三個入りをいただきました。
味はあんが黒いものと白いものの二種類、桜の形のお菓子です。
桜といえば、厚木近隣の大山には樹齢400年以上のヤマザクラが四本点在しています。
菊屋政房の創業当初から今まで、地元で親しまれてきたことでしょう。
ちなみに、箱に描かれているのは八重山桜という紋様で、コノハナサクヤヒメノミコトを祀る神社などで見られます。
厚木だと、温水浅間神社でもコノハナサクヤヒメノミコトが祀られています。
崋山は、その名前や形からも厚木への想いが感じられる、意匠をこらしたお菓子だと言えるでしょう。
砂糖をまぶされていて一見きんつばのようでもありますが、一口食べると豆の素朴な甘みが口いっぱいに広がります。
ねり羊かんのようなねっとりした甘さではなく、豆納豆のようなほっくりした甘さです。牛皮入りで満足感あり。
豆の甘さが楽しめて、食べ応えがあって、羊羹と甘納豆のいいとこ取りをしたようなお菓子です。
あんが黒い方は、ぜんざいのような後味が楽しめます。
あんが白い方は、手亡豆と牛皮の甘みが優しい味わいなのですが、例えるものが浮かびません。
ぜひご自身で味わって、確かめてみてください。
手土産を厚木で買うなら菊屋政房!
ここまで、地元厚木のお菓子が並ぶ菊屋政房をご紹介しました。
お菓子の名前や形、テーマからも、厚木とともに歩んでこられたお店の歴史や想いがしのばれます。
今回ご紹介した鮎もなかや崋山は、手みやげとして活躍すること請け合いです。
菊屋政房にはバラ売りのお菓子もたくさんありますので、ぜひお気軽に足を運んでみてください。