近年は感染症予防により、マスクを着用することが当たり前なっています。今となっては、ドラッグストアやコンビニで購入することができるマスクですが、2020年は日本中がマスク不足に悩まされていました。そんな状況を打開しようと取り組んだのが、伊勢原にある株式会社ムサシノ精機です。
今回は、伊勢原でつくったマスクがどのようにして生まれたか、どんな会社が製造をしたのかなどについて、株式会社ムサシノ精機の社長である佐藤義一さんにお話を伺ってきました。
伊勢原でつくったマスクとは?
伊勢原でつくったマスクとは、その名前の通り伊勢原市に拠点を置く株式会社ムサシノ精機さんが、伊勢原で製造したマスクになります。サイズは、ふつう、小さめ、こどもの3種類があり、素材から製造装置まですべて国内メーカーで製造したマスクです。

▼伊勢原でつくったマスクの特徴
- 顔の形にデザインされた立体型不織布マスク
- 口元には国産の証しとして「いせはら」の刻印があり
- 耳が痛くならない様に極めて柔らかい不織布を使用
次に伊勢原でつくったマスクがどのような企業で製造されているのかについてご紹介していきます。
株式会社ムサシノ精機について
株式会社ムサシノ精機は、1962年に神奈川県川崎市で金型製造業として創業した企業です。その後、1974年に拠点を伊勢原市に移転しました。
創業から60年が経ち、すでに約48年間、伊勢原市で金属部品の製造を続けている伊勢原市密着の中小企業です。

ムサシノ精機は、長年に渡り金型とプレス技術で人の役に立つ製品を支えています。
ここまで読んでみて、ムサシノ精機は、マスク製造とは全く異なる企業であることがわかったかと思います。それではなぜマスク製造とは異なる業界のムサシノ精機が伊勢原でマスクづくりを始めたのでしょうか?実際に社長の佐藤さんにお話を聞いてみました。
伊勢原でつくったマスクに込められた想い

株式会社ムサシノ精機の代表取締役社長である佐藤義一さんは、義一さんの祖父がムサシノ精機を創業して現在3代目の社長ということです。
さっそくですが、マスクを製造しようとしたきっかけは何ですか
2020年の初めに感染症が流行り、同時に日本において不織布マスクが入手困難になったのを覚えていますよね。当時なぜこんなにも日本でマスクが手に入らないかを調べた際に、2020年以前からマスク産業は海外に大きく頼っていることを知りました。
マスク工場の海外流出、それによる生産設備メーカーの減少、その結果として国産マスクの減少という実態を知るに至ったことが始まりです。
もちろん当時、当社を支え続けていただいていた地元の伊勢原でもマスクが入手困難な状況が続いておりました。地元の人々が困っている現状を打破しようと、社員一丸となって何かできないかと考えた結果「伊勢原でつくったマスク」を製造して、地元の人々に届けたいという考えが製造のきっかけになります。
マスクの完成までどのくらいの期間がかかりましたか
もちろん知識もなかったため、調べるところから始まりました。国内メーカーの製造装置を探し、国内メーカーの素材を探し2020年末ごろに会社に設備などを整えることができました。その後、半年間かけて試行錯誤し昨年2021年の6月から販売を開始しました。
伊勢原でマスクを作るに当たって込めた想いなどはございますか
海外に頼っているマスク産業の実態を知ったことが始まりだったため、製造を国内ですることにこだわりました。マスクの素材は国内メーカーを探したのはもちろん、製造装置も国内メーカーを採用しております。
また、SDGsの目標の中から3.「すべての人に健康と福祉を」、11.「住み続けられるまちづくりを」、12.「つくる責任つかう責任」といった3つの目標を市民の安全を守るために掲げ、メイド・イン・イセハラという伊勢原の製造業の誇りとプライドを持ち製造しております。
佐藤社長から見た伊勢原とは
社長である佐藤さんは、生まれも育ちも伊勢原で伊勢原の姿をずっと見てきたそうです。そこで佐藤社長から見た伊勢原について聞いてみました。
伊勢原はどんなところですか
飲食や企業などを含めて、独立系のお店が頑張っています。だからこそ、伊勢原にしかない魅力があると思っています。
また、車に乗ることが多いので周辺の市と比較しても、渋滞が少なく、自然も多くとても住みやすい穴場のような場所です。
インタビューを終えて
今回、企業の経営者へのインタビュー第一弾として株式会社ムサシノ精機さんにお時間をいただきました。扉を開けた瞬間から、社員の方々の優しい笑顔でお出迎えして頂き、とても温かい企業という印象を受けました。
人に使われる道具を製造しているものづくりの会社だからこそ、社長の佐藤さんは、お客様のことを何よりも考えているという印象をインタビューを通じて感じることができました。
現在、伊勢原でつくったマスクは、下記の店舗で購入することができます。
参考価格:1パック税抜250円
- クルリンハウス 観光協会
- 大山観光案内所
- 柏木牧場
- ムール・ア・ラ・ムール
- セブンイレブン伊勢原工業団地店
- 伊勢原市総合運動公園
- デイリーマート平塚駅前店
- 吉田理容
- トリミングスタジオ・バブル
- ショップ湘南平
- あさひショッピングセンター
現在もお取扱店舗様を随時募集しているそうです。
株式会社ムサシノ精機の公式サイトからも注文が可能です。
伊勢原には、まだ出会えていないだけで、沢山の素敵な企業があるはずです。経営者へのインタビュー第二弾もお楽しみにしていてくださいね!